今日、電車の中で、おばさまが2人、評論家(といってもワイドショーの立場の)Aさんと、評論家Bさんの比較をしていたのだ。ず〜っと続いていた話だけど、まとめると、
『Aさんの言うことは難しくてよくわからないからダメね。その点、Bさんの方は、説明が庶民的で、わかりやすい。それにBさんは、離婚も経験してるから、感覚も庶民的なのよ。Aさんなんか、わからないことばっかり言うもんね』と、こういう事だった。
内容はそっちのけ。(っていうか、片方の内容がわからないんだから、内容では比較できないか・・・。)
私は、その後、考えるところがあった。
テレビの影響って、時としてすごく大きい。
世の中を変えたものランキングをあげるとしたら、私の中で、かなり上位を行くのが、『筑紫哲也のNews23』。その中の『異論反論Objection』。
あれのお陰で、なんか、みんな、すごく気軽に自分の意見を言えるようになったように思う。
あれが始まるちょっと前までは、政治の事を語るには、かなりの勇気が要ったと思うのだが、あのコーナーのおかげで、みなさん、『何?その程度の意見を、公共の電波で語っちゃっていいわけ?』ってな気分になったはず。
ちょうど、消費税が導入されるかされないか、なんて時にも、あのコーナーはあって、それまでは、『国の財政危機を乗り越えるに当って、その新しい税制は如何なる役割を果たすと思われるか?』だったものが、『ねえ、ねえ、おばちゃん。何か、物を買うと、3%税金が乗っかるらしいよ。そんなん、どお?』ってな位、気軽になった感じ。
答える方も、『それで一時的に国の財政が救われたとしてもですねえ・・・』なんて評論家よろしく語れる人でなければ発言できないムードだったのに、『え〜?野菜が高くなるのは困ります!』でも、れっきとした『庶民の声』として成立するようになった。
いいことでもあるし、困った風潮のはじまりでもある。
そんな中で生まれたのが、私達テレビの人間にめっっちゃ便利なあの言葉なのだ。
『政治が見えてこない。』『主張がわかりづらい』
選挙の時に、それそれの主張を聞く。それを聞いても、今いちわからなかったとする・・・。そんな時、『庶民に、わかりづらい』というコメントが如何に便利かおわかり頂けます?
『私には、理解できませんでした。』なんて格好悪くて言えないが、
『こんな説明では、一般市民に、主張が届きませんよね。』なら、なんとかなる。
これ、即ち、世界一便利な逃げの言葉・・・。だって、いわば、逆ギレ状態だもんね!
『あなたたち!!!何度も何度もって教えたでしょう?』『教え方が悪くて覚えられないよお』みたいな?
それが、一般市場に出回っているのだ。話のすり替えテクとも言う。
今日のおばちゃんも、そうだよね。『あの人の言うことが、私、理解できなくって・・・』っていう謙虚な姿勢から、『あの人の言うことは、わかりづらくて、けしからん!』と開き直ってる・・・。
今、国民、みんながその傾向にあると思うんだあ。自分が勉強しないといけない問題も、すぐ、相手の責任にすり替える。
もちろん、本当に意味不明の人もたっくさんいらっしゃるのではあるが、すべてがすべて、そうではない。私も反省だな!
ところで、コンピューターのマニュアルって、わかりづらすぎだよね・・・。(それだよ!!)